特に旧ソ連製のカメラ命!みたくスゴイ拘りが有る訳ではない。
手にしたのがたまたま旧ソ連製カメラだったという縁。
その繋がりで集め始めて好きになっていくという感じ。
旧ソ連製カメラだからスゴイとか云う認識は無いし不具合を味だと言って楽しむ程カメラに精通している訳でもない。
旧いカメラでもちゃんと写真は撮れるし自分の視線の延長として目の前にある景色を残せる道具として使うのならばちゃんと機能してる。
レンズの描写云々、性能云々語れる程の経験も知識も持ち合わせていないから正直スペック的に満足してるんで。 いや、むしろこのスペックならこんだけ写って当たり前でしょ?みたいな。半世紀も前のカメラがこうしてここに存在してしかも一生懸命機能してくれてるってところが泣かせるところであってミソな訳で。
旧ソ連製はショボいとかレンズがカビだらけとか精度が云々などなどネットや雑誌などで見かける、不具合をおもしろおかしく語ったりクソミソに貶しあったりするような情報は僕にはまったく無縁の世界。
そりゃ作ってから半世紀も経てば旧ソ連製で無くとも保管悪けりゃ国産だろうがドイツ製だろうがレンズにカビも生えるだろうしモルト腐るだろうしシャッター幕だってヘタるだろうしセレンは死ぬだろうし精度だって(元々悪いのかもしれないけど)悪くもなるわな。経年変化以外でも下手に人手が介入されればなおさら。子供だってわかる理屈じゃん。
過度に美化された話を鵜呑みにするのも馬鹿げてるけどね。
幸い自分が使用しているものは整備された物から個人所有の物を譲って貰った物まで、とりあえず写すという目的に対して不具合は無いのよね。自分が写したい物に対してそれなり満足いく物が撮れていたりする、ありがたや。
もともと写真は好きで以前はキャノンのコンパクトカメラで撮っていたが(平井君と知り合った当時。その頃平井君が在籍していたバンドのライヴ写真など担当した覚えがある)その後、カメラいじりから暫く遠のいてしまった。
数年前、友達から譲ってもらった中国製のHOLGAという120mmロールフィルムを使うカメラをいじっていたら再び写真熱が再発(だってロールフィルムのプリントの出来が素敵だったんだもの)。
当時の一般的(?)なトイカメラ系ユーザー的にはHOLGAときたら次はLOMO-LCAでしょ?という流れに抗い、手にしたカメラはLOMO製のSMENA-SYMBOLという機種。これがまた四角いプラスティックボディにアルミ胴鏡ガラスレンズ(T43、F4.0)という外観のなんともレトロなカメラだったがAGFAのフィルムを入れて適当に撮った写真の写りが素敵だったのでズブズブとハマっていく。
その次に入手したのはLOMO製の金属製カメラ、発条による自動巻き上げが売りのLOMO135Mという機種。
四角い金属ボディの下側に巻き戻しクランクやホットシューをレイアウトしたスタイルがユニークだが目を引くのは軍艦部にある巨大な巻き上げダイヤル(発条が仕込んである)。こいつを操作すると1回で8枚程度自動巻き上げしてくれる。解放値2・8のインダスター73という西部劇のタイトルみたいなレンズのおかげでLIVEJOYの記録にはずいぶん役立った。
いや、記録・・・というには語弊があるな。
単なる記録なんかじゃなくってつまるところ「カッコイイLIVE JOYの写真が撮りたかった」んだと思う、写真熱再発のおっきな理由のひとつは間違いなく!
その後、LOMO製のVOSKHODという念願の縦型カメラ入手を期にコンパクトカメラからレンズ交換式のレンジファインダー/1眼レフカメラへと興味が移行していく。
増え続けるカメラとレンズ(いや、正確には増減を繰り返すといった方が正しいか)。
こうなるともう写真を撮りたいから買うのか単にカメラを所有したいから買うのか判らなくなってくる。
しかしちゃんとそれぞれがそれぞれの場面に活躍してくれるからありがたい。
唯一の閉口点はかさむフィルム・現像代、ネガ置き場。
あ、あと旧ソ連カメラの革ケースの獣臭。
・画像クリックで拡大。拡大画像右下の矢印マークをクリックするとスライドショーが開始します。
・画像には撮影場所(タイトル)と撮影に使用したカメラ、レンズ、フィルム等の情報を可能な限り掲載。
メインで使用のKMZ製のZENIT-S。
初代ZENITにストロボシンクロ接点を加えたモデル。機種名のSはシンクロのS(キリル文字表記だとシンクロの頭文字がSではなくCなのでボディ刻印や紹介記事ではZENIT-Cと表記されるのが一般的)。
バルナックライカコピーのZORKI1型系のボディのマウント部を突き出しプリズム部をくっつけた仕様。 M39マウント(ねじ込み径はLマウント同様39mmだがフランジバックが違う)という特殊なマウント仕様。Lマウントレンズは通常の使用できないが接写レンズとして使用するという遊びが可能。
最初はまったく興味がなかったが安く購入できるので試し購入し手にとってみたら小ぶりなボディで手に馴染み具合がいいしインダスター50を付けた姿が可愛いし。 すっかりお気に入りで今ではメインの1台。
限られた仕様の交換レンズを探すのも楽しみのひとつ。
標準装備のインダスター50(50mm・f3.5)に加え、ヘリオス44(58mm/f2.0)というレンズを装着して使用する頻度が高い。
<ZENIT-S>
・KMZ 1957年製
・付属レンズ:インダスター50(50mm/f3.5)
・シャッタースピード:1/25〰1/500,B
・クイックリターンではないのでシャッターを切るとフィルムを巻き上げるまでファインダーはブラックアウトしたまま。フィルム装填はバルナックライカ同様底蓋から。
下に紹介したZENIT-KRISTALLを入手後、ひょんな事から手に入った輸出モデルのZENITH-C(S)。
画像の通り、正面の刻印以外は外観上はほぼ同じ(手前がZENITH。レンズは外してあるのでボディキャップ着用)。
1959年製。
シャッタースピードはZENIT-Sとじゃっかん異なり1/30〰1/500、Bとなっている。
レンズ外した時の中身もじゃっかんの細かい違いが。
背面にMADE IN USSRの刻印がある事から輸出モデルという事がわかる。
サブ機として使用中。
サブで使用のFED2型(タイプB)。
FED1型の改良機種。製造台数も多かったので安価で大量に出回っている。
製造台数が多かったのでそのボディカラーも仕様同様にバリエーション豊富。
所有のこの子は一般的に赤と呼ばれる赤茶色ボディ。
所有のものは外観はボロボロで使用感に溢れているジャンク状態だが距離計、シャッター駆動、レンズの具合など不満は無い。
使ってナンボの世界である。
素人が己の楽しみに使ってる道具である。
<FED2(B)>
・FED製
・付属レンズ:インダスター26(50mm/f2.8)
・シャッタースピード:1/25〰1/500,B)
・FED1型から改良された点はファインダーが1眼式になった点(視度補正機構もありがたい)、フィルム交換が底蓋式から裏蓋式になった点。
使い勝手の良いカメラです。流通量も多いので入手も簡単。これはお薦めの1台。
ZENIT-Sがあまりに具合よかったので予備にもう1台探していたがなかなか入手できず。そんな時に出会ったのは同じKMZ製のZENIT-KRISTALL。
マウントもZENIT-S同様M39ゼニットマウントなのでレンズ共有できるのがありがたい(というか、それだから購入した)。
ZENIT‐S以降、どんどんサイズが大ぶりになっていくという進化(退化?)を遂げて行くZENITシリーズ。このモデルは巻き上げがレバー式に、裏蓋が蝶板式に、スプールも固定式に変更されているのでフィルム装填や操作が容易である。
フィルム巻き取りの際に使用するスプロケットフリー釦が何故かシャッター釦のすぐ近く(しかも具合の良い位置)にあるので慣れない頃はよくシャッター釦と間違えて押してしまった。まぁ、シャッターはそれでも切れるんだけどね。
<ZENIT-KRISTALL>
・KMZ 1962年製
・付属レンズ:インダスター50(50mm/f3.5)
・シャッタースピード:1/30〰1/500,B
・軍艦部は昔の顕微鏡や計測機器を思わせるような美しいハンマートーンの仕上げになっている。
プリズム部頭頂には5本の筋がアブドラザブッチャーの額の傷みたくデザインされている。ハンマートーンの仕上げと相まって曲線直線で形成されたその外観デザインはなんともレトロな風合いでまるで50〰60年代のSF映画かリュックベッソンのSF映画にでも出てきそうな雰囲気だ。
この子もクイックリターンでは無いのでシャッターを切ってからフィルムを巻き上げるまでファインダーはブラックアウトしたまま。
操作性を考えて導入したZORKI4k。
レンズ無しのボディだけ入手。
レバー巻き上げ、裏蓋式、スプール固定に加えスローシャッター〰1/1000まで装備(精度は不問)なので暗いライヴ会場では頼もしい即戦力となる。
ファインダーを覗くと所有のカメラの中では一番明るく大きく見えるのでありがたい。
後期のZORKI4はシャッタースピードダイヤルの数値が印字処理なので経年変化で文字が判別しにくくなっているのが難点。
<ZORKI4K>
・KMZ 1979年製
・シャッタースピード:1/1〰1/1000,B
・LIVEJOY会場などでの使用が多いのでレンズは画像に写っているジュピター3(50mm/f1.5/1957年製)を装着。
はい、とうとうコンタックス(コピー)デビュー。
これでまたデジタル1眼への道が一歩遠のいたな。
コンタックスのコピー(というか、まんまコンタックス)として戦後から生産が始まったアーセナル(ウクライナ)のレンジファインダー、キエフシリーズ。
今回はその最終型として評判の芳しくないKIEV4AMを手持ちレンズと交換で入手。
レンズとレンズ付きカメラを交換。いささかわらしべ長者的展開である。
成程、樹脂製のパーツが多用されたりしてどこかチープさを隠せないが、バルナックライカコピーから始まったfedが60年代半ばで既にソビエト式簡略化によって弁当箱にレンズをとっ付けたような情けないデザインに成り下がったのに比べkievはまだまだコンタックスの面影を残し続けていたようだ。
最初、動作チェックの際ファインダーを覗いた時に二重像が確認できずかなり焦ったが良く見たらホールディングした右手指が距離計窓をふさいでしまっていたから。基調線を長く確保する為にカメラの両端いっぱい使っているからだね。ピントリングもコンタックス譲りのカメラ上部のダイヤルを回すというスタイル。
これはホールディングに慣れが必要だな。
アーセナルのキエフシリーズには実は嫌な思い出がある。上記のカメラ歴内で中国製のトイカメラHOLGAの後に最初に入手した旧ソビエトカメラが実はアーセナルのkiev35というコンパクトカメラだった。ミノックスデッドコピーとして有名だが故障の多いカメラとしても有名。案の定、絞り優先の電子制御シャッターは不安定。フィルム2本程通したところで力尽きた。そこで旧ソビエト製カメラを見限っていたら今に続くこの流れはもしかしたら無かったかもしれないね。
その一件以降アーセナル/キエフは自分的には鬼門フィーリングだったのだが今回は縁あってこのコを入手。普通だったら絶対に自分から手にする事は無かったと思うKIEV。
やはり縁って不思議。
<KIEV4AM>
・Arsenal 1982年製
・付属レンズ:ジュピター8M(53mm/f2.0)1979年製
・シャッタースピード:1/2~1/1000,B
・バルナックライカ系のカメラを使用していたので横走り布製シャッターは見慣れていたがKIEVの裏蓋を開けた時に現れた縦走りの金属製シャッター(商店街のシャッターみたいな)にはインパクトを感じたな。
バルナックライカのコピーモデル愛が嵩じて入手のキャノンのライカコピー。デフォルトで装着されていたレンズはカビが生じていたので手持ちのゾルキーのインダスター22を装着している(ゾルキーでシャッター幕が壊れた個体があったのでそちらのレンズを装着)。マウントが共通しているのはありがたい。
細部にいたるまで実に丁寧に作られている。フェドやゾルキーの1型では簡略化されている距離計のコロ(レンズ接触部にある)は本家バルナックライカ同様のローラータイプである。スローシャッターが2軸の顔つきがいかにもライカっぽくてかっこいいですね。バルナックライカタイプのカメラには沈胴レンズが良く似合います。
<Canon ⅥS型>
・canon 1952年に製造されていたようですが本機の製造年は不明
・装着しているのはzorki1で使用していたインダスター22
・シャッタースピード:B,1/1~1/1000
・フィルム巻き上げダイヤルの滑らかさは旧ソ連製カメラを使用してきた自分的には驚異の使い心地でしたw
ディテールをアップしておきます。①軍艦部のロゴがかっこいいね。②ファインダーは1目仕様。視度矯正装置が嬉しいね。③ホットシュート高速シャッター変更ダイヤル。④低速シャッター変更ダイヤル。⑤レンズはインダスター22。違和感のない外観ですね。⑥レンズカバーはゾルキーのもの。なんとも怪しげな外観になりますね。
兄から譲ってもらったEXA。ドレスデン、イハゲーのエキザクタの普及用の廉価版モデルとゆう位置づけなのですがなかなかに使い勝手が良い。
シャッターのカバーなど細かい気配りが嬉しいですね。釦プッシュで飛び出すウエストレベルファインダーがなんとも心地よい動きをしてくれます。
じっくりファインダーを覗きながら撮るのは昨今の直感的にシャッターが切れるデジカメ(スマホ含む)と対極的な位置にあるカメラではないだろうか。
ウエストレベルファインダーの前蓋を開けると目測で撮れるスポーツファインダー仕様(たんなる四角い穴)なのも嬉しいですね。
<EXA>
・イハゲー 本機の製造年は不明
・付属レンズ:エキザクタマウントのテッサー50mm/f2.8カールツァイスイエナ
・シャッタースピードB,1/2~1/150
・コロンとしたフォルムが可愛いカメラです。上から覗くファインダーが面白すぎて癖になります。
ディテールをアップしておきます。①テッサー、カールツァイスイエナ。②シャッタースピード変更レバー。1/150が最速とは!③前面シャッターは使いやすい。フィルム巻き上げたまま鞄などに放り込んだ際に不用意にシャッターが切れない為の工夫。④釦を押すとポップアップするウエストレベルファインダー。⑤レンズを覗かないと画像が見えないですね。